歯科用貴金属合金に対して有機硫黄化合物による表面処理が接着強さの向上に有効である。多くの貴金属合金には、機械的性質の向上を目的として銅を含有している。その銅表面は処理によって変化することが知られているが、それが機能性モノマーの効果に与える影響については不明であった。本研究では、変化した銅表面と機能性モノマーの相互作用について比較検討を行った。本研究の結果から,酸化銅(I)の状態であれば有機硫黄化合物が有効であるが,リン酸エステル系モノマーの効果が得られない一方で,酸化銅(II)の状態であればリン酸エステル系モノマーが有効であるが,有機硫黄化合物の効果が得られないことが明らかとなった。
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