本研究では、インプラント治療の長期安定性の向上に大きく寄与する表面修飾法の開発を目指し、新規合成BMP-2ペプチドとRANKL結合ペプチド(W9ペプチド)の骨芽細胞および破骨細胞分化に与える影響について検討した。その結果、新規BMP-2ペプチドは骨芽細胞の分化を促進し、W9ペプチドと併用することで相加的な影響を示すこと、またBMP-2ペプチドがW9ペプチドの破骨細胞分化抑制能を阻害することなく機能することが示唆された。チタン板表面にペプチドを固定化した場合も同様であった。したがって、これらのペプチドによって、チタン製インプラント周囲において骨形成優位な環境を作り出すことができると考えられた。
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