研究課題
若手研究
これまで申請者はリン酸三カルシウム(TCP)に直線的貫通孔をハニカム状に配列したハニカムTCPを開発している。本申請課題では、ハニカムTCPの貫通孔孔径を変化させることにより、特異的・選択的に骨組織および軟骨組織を誘導することに成功した。具体的には、TCPの孔径が75μmではTCP内に軟骨組織、TCPの孔径が300μmではTCP内に骨組織を特異的に誘導可能であった。
再生医療
膝関節は軟骨と骨が連続した構造であり、治療として軟骨・骨組織を連続した状態で回復させる必要があるため、細胞移植を含めた現在の再生医療において軟骨・骨組織に同時に分化誘導させることは困難である。本申請課題の成果から、既存関節軟骨相当部に軟骨組織、骨相当部に骨組織を同時に尚且つシームレスに組織が連続した状態で誘導可能な軟骨・骨組織誘導性ハイブリッド生体材料の開発が可能であり、広範囲に損傷した関節軟骨を再生できる可能性が示唆された。