本研究では、自己硬化型β-TCP顆粒セメント(β-TCPGC)を用いてウサギ頭蓋骨に対し垂直的骨造成実験を実施した。治癒期間は2週、4週、16週とし、μ-CTによる形態学的評価および非脱灰切片(ビラヌエバ・ゴールドナー染色)による組織学的観察を行った。すべての観察期間においてβ-TCPGCは崩壊・飛散することなく積層された形態を維持しており、β-TCPGC群は対照群と同様に良好な組織親和性を認めた。術後2週から4週にかけてβ-TCPGC内部へ細胞成分はほとんど侵入せず、母床骨からの骨伝導をわずかに認めるのみであったが、術後16週では材料内部に対照群と匹敵する旺盛な骨新生を認めた。
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