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2019 年度 実施状況報告書

ゲノム/エピゲノム異常が口腔多発腫瘍におけるField形成に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 19K19164
研究機関九州大学

研究代表者

今城 育美  九州大学, 歯学研究院, 助教 (40636552)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード口腔多発癌 / Field cancerization / エピジェネティック異常 / 遺伝子変異
研究実績の概要

単発癌患者と多発癌患者の後ろ向き調査により、以下の臨床的特徴を有することが分かった。1)当科で口腔扁平上皮癌と診断され治療を行った686名のうち、多発癌と診断されたものは44名(6.4%)であった。2)多発癌患者では単発癌患者と比較して、初発癌の発症年齢が高く、発症部位は歯肉に多く舌に少なかった。3)多発癌患者では単発癌患者と比較して早期癌が多かった。4)多発癌患者では白板症や扁平苔癬などの粘膜病変を併発する患者が多かった。5)口腔癌発症のリスク因子とされる喫煙や飲酒は、多発癌発症との関連は明らかではなかった。6)多発癌患者では長期予後が悪かった。7)従来の臨床的分類では再発癌とされていたものを表層再発癌と深部再発癌に分類すると、臨床病態が大きく異なっていた。8)表層再発癌の中には多発癌と同様の臨床的特徴を有するものが存在しており、二次癌が含まれる可能性が考えられた。
口腔多発癌の臨床病理組織学的特徴についてまとめ、日本口腔腫瘍学会雑誌に論文を投稿中である。また、口腔多発癌のリスク因子に関する検討についても、日本口腔腫瘍学会雑誌に論文を投稿準備中である。口腔扁平上皮癌の再発癌に関する臨床病理組織学的検討を行い、日本口腔科学会に論文を投稿準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

従来の臨床的分類で再発癌と分類されているもののうちに、多発癌と同様の臨床病態を有するものが存在していた。それも対象に加え、さらに検討項目を追加したため、再度臨床データを追加して検討を行っている。

今後の研究の推進方策

これまでの臨床的分類による多発癌と、臨床的分類からは再発癌とされるもののうち、多発癌と同様の臨床病態をとるものについても同様に比較検討を行う。対照は単発癌患者とし、保存しているパラフィン包埋切片より癌およびFieldを形成する粘膜上皮についてPIK3CA、CDKN2A、TP53、SMAD4、CCND1の遺伝子変異を免疫組織化学的染色にて評価する。またエピジェネティック異常の検証も合わせて行う予定としている。

次年度使用額が生じた理由

進捗がやや遅れている。臨床的なデータ収集を済ませたのちに、パラフィン包埋切片より癌およびFieldを形成する粘膜上皮についてPIK3CA、CDKN2A、TP53、SMAD4、CCND1の遺伝子変異を免疫組織化学的染色にて評価する。またエピジェネティック異常の検証も合わせて行う予定としている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 口腔扁平上皮癌の再発に関する臨床的検討2019

    • 著者名/発表者名
      今城育美
    • 学会等名
      第64回日本口腔外科学会総会

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公開日: 2021-01-27  

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