研究課題
近年のがん治療は手術療法、化学療法、放射線療法に加えて、免疫細胞の制御を応用した「免疫療法」が目覚ましい発展をとげている。がんの形成・進展には免疫細胞・間質細胞など周囲微小環境が重要である。間葉系幹細胞(MSCs)は種々の免疫細胞の機能を調節し、優れた免疫調節能を発揮する。本研究では、MSCsの優れた免疫調節能とがん組織の免疫抑制機構に着目し、「MSCsを基盤とした新しい抗腫瘍治療の開発」を目的とした基礎的研究を行うことを目的とした。具体的にはMSCsによる抗腫瘍効果の有無を①腫瘍細胞の選択的な細胞死誘導(直接的抗がん作用)、②免疫応答の賦活化効果(間接的抗がん作用)の2点に着目し検証した。in vitroによる解析で、MSCsには強力かつ選択的な抗腫瘍性リガンドであるTRAIL(TNF-Related Apoptosis-Inducing Ligand)が発現すること、またTRAIL発現がTNF-α刺激により濃度および時間依存的に誘導されることが確認された。また、TRAIL発現により口腔がんへの抗腫瘍効果をもたらすことを明らかにした。間接的抗がん作用に関してMSCsに発現する分子の同定とそのメカニズム解明について検証を行ったが、決定的な分子の同定には至らなかった。今後、さらなる解析をすすめる必要がある。
すべて 2022 2021 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology
巻: 34 ページ: 243~251
10.1016/j.ajoms.2021.10.002
巻: 34 ページ: 108~114
10.1016/j.ajoms.2021.08.004
日本顎顔面インプラント学会雑誌
巻: 20 ページ: 299~306
Toukeibu Gan
巻: 47 ページ: 388~394
10.5981/jjhnc.47.388
http://www.saga-u-oms.jp/