研究課題/領域番号 |
19K19167
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
野田 さわこ 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (00713900)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 骨再生 / 骨折 / 遺伝子治療 / ベクター / 基質 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、遺伝子搭載自己組織化ナノデバイス(Nanoballベクター)を応用した強い骨誘導性を発揮する遺伝子活性化人工骨基質(Gene Activated Matrix;GAM)を開発している。骨形成不全症などに頻発する骨折などをはじめとする難治性骨折の治療に応用することで、骨折の治癒不全や骨変形などを軽減させる新規治療用材料を創出することにある。 本年度は昨年度に引き続き、骨指向性のあるNanoballベクター作製の条件検討およびその生体内での機能評価を実施した。Nanoballベクターの作製条件については、マクロファージへ指向性を有するカチオン性材料Aが骨障害局所に集積するマクロファージや間葉系幹細胞、繊維芽細胞にも指向性を有することが確認できた。そのため、そのカチオン性材料からなる自己組織化ベクター、もしくはその自己組織化ベクターをコアとしたアニオン性のNanoballを作製し、生体内での機能評価と実施評価を試みた。評価方法には、通常の骨再生モデルのほか、難治性骨折モデルとして、OVX骨粗鬆症ラットに作製した骨折部へNanoballを搭載したGAMの移植を試みた。その結果、骨折治癒への一定の有効性が得られた。骨折治癒への有効性がえられたため、その有効性の増強を図るため、引き続き遺伝子の組み合わせ等について検討しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
難治性骨折へ有効性を持つGAMの作製条件が得られつつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
遺伝子の組み合わせのほか、骨折部へ移植、もしくは注入するのに最適なGAMの基質材料の検討も併せて実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新規に選定した遺伝子を搭載したNanoballベクターを数種作製したが、そのうち年末から作製に取り掛かったもののうち、遺伝子をコードするplasmid DNAの構築、増幅と、それを搭載したNanoballの作製に時間を要し、その評価を次年度に延長したことで未使用額が発生した。よって未使用額は次年度に実施する評価に使用予定である。
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