研究課題/領域番号 |
19K19169
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
中元 雅史 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (90779175)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ANGPTL4 / 脂質代謝 / エピジェネティクス |
研究実績の概要 |
口腔癌の細胞株であるSAS細胞株とCa9-22細胞株で、ANGPTL4の発現があることをRT-PCR法で確認した。それぞれの細胞株でRNA干渉法でANGPTL4のノックダウンを試みたが、ノックダウン効率は十分ではなかった。新たに市販のsiRNAを注文し、現在そのノックダウン効率を確認中である。 一方で、低酸素誘導因-1(hypoxia- inducible transcription factor-1;HIF-1)はがん細胞の代謝変動における中心的な役割を果たしていることが知られているが、Ca9-22細胞株では低酸素環境下でANGPTL4の発現が転写レベルでもタンパク質レベルでも発現が上昇していることを確認した。このことは、ANGPTL4が細胞外環境と密接にリンクして発現が制御されていることを示唆しており、脂質代謝を介した癌の生存戦略を解明するヒントとなる可能性を考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実験の入り口として必要なANGPTL4のsiRNAがうまく機能していないため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、RNA干渉法でのANGPTL4のノックダウンの確認を継続する。 ANGPTL4のノックダウンが確認できたら、ノックダウン細胞での脂肪酸合成酵素、遊離脂肪酸、活性酸素およびAcyl-CoAとAcyl CoA synthetaseの活性について調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
リアルタイムPCR用の試薬等について研究室内で代用できるものがあったため。次年度以降でsiRNA試薬等必要な試料購入に使用予定。
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