抗癌剤耐性は癌の進展過程の一つである。肥満と抗癌剤感受性との関連を調査する目的で、口腔癌患者40名に対する後ろ向き研究を行なった。その結果、低中分化型腫瘍患者で高分化型の患者と比して有意に腫瘍が消失する割合が増加していた。BMIと組織学的分化度との相関を検討したところ、BMIが29以上の男性患者で低中分化型の割合が有意に高くなっていた。サイトカインの発現量をTCGAを用いて検討したところ、IL-6の発現量は低中分化型で高分化型と比して有意に高値を示した。 本研究は、肥満が口腔癌の発症に関与する経路を提示しており、将来的には術前化学療法などの患者選択において、有用な知見を与えると考えている。
|