研究課題
若手研究
本研究では、眼窩下神経を結紮して作製したラットのA11細胞群に、ドーパミンD2受容体作動薬を微量注入すると、機械刺激に対する過敏性が減弱すること、またVcに発現するpERK免疫陽性細胞数が減少することがわかった。この結果は、口腔顔面領域の神経障害性疼痛の場合にも、A11細胞群がその症状の変化に関与すること、A11細胞群へのドーパミンD2受容体作動薬が症状を減弱することを示唆する。また、これらの反応は、A11細胞群の活動の変化が、Vcの活動に変化を惹起することを示唆する。
歯科麻酔学
本研究の結果から、ドーパミン神経系の一つであるA11細胞群は、眼窩下神経を結紮して作製した神経障害性疼痛モデルラットの症状を変化させうることが示された。ドーパミン神経系を介して、神経障害性疼痛の緩和が可能であるならば、治療法につながることが考えられ、神経障害性疼痛患者のQOLの改善に寄与しうるものとなる。本研究はそれに関して基礎的なデータを提供することができたと考える。