研究課題
放射線治療によって腫瘍の根絶が達成できた症例においても、嚥下機能が低下しQOLが低下する患者を多く経験していることから、放射線治療後の嚥下機能評価のために、VFではなく被爆のないMRIを用いてその評価ができないかと臨床経験での疑問からスタートした。本研究では、超高速MRIを用いた嚥下機能検査時の適切な検査食材と嚥下機能評価に適した受信コイルを開発することを目的とした。本課題の初年度では、嚥下運動に関連する口腔・咽頭領域の軟部組織、特に舌、軟口蓋、喉頭蓋、咽頭側壁の動態を知るために、限りなく撮像時間の短いMRI撮像シーケンスの作成を試みた。その結果、嚥下運動をMRI動画で捉えられることが十分に可能であることが示唆された。今年度においては、昨年度調達したPC環境の整備(以前のPC環境では動画の容量が大きく適正に再生されないなどの不備があった。)、ソフトの運用方法や画像データの加工方法等を検討し環境を整えた。また実際の動画取得に関しては、構築したシーケンスを持ちいて実際にボランティアで動画の撮影をし、シーケンスの再検討や撮像データの蓄積を試みる予定であった。しかしながら、全世界的に猛威を振るった新型コロナウィルスにより、人との接触機会が制限された背景があり、今年度はボランティアの撮像ができなかった。そのため研究推進の方策を変更し、下半期では受信コイルの設計に関して、情報収集をした1年となった。
3: やや遅れている
昨年度に構築したシーケンスを持ちいて実際にボランティアで動画の撮影をし、データの蓄積を試みる予定であった。しかしながら、全世界的に猛威を振るった新型コロナウィルスにより、人との接触機会が制限された背景があり、今年度はボランティアの撮像ができなかったため、昨年度構築したシーケンスの精査ができなかった。
実際にボランティアに協力をいただき、動画の撮影をしていきたい。またその動画を元に、受信コイルの開発において、どの領域の画像の信号強度が不足しているのか、コイルの形状等も加味して、受信コイルの開発を進めていきたい。
全世界的に猛威を振るった新型コロナウィルスにより、一部研究推進に遅延が生じ、さらに参加予定の学会(国内・海外)が中止もしくはweb開催になったため、当初見込んでいた旅費とは大幅に異なったため。次年度も国際学会に参加予定で、可能であれば現地に出張しMRI開発がどのように行われているか研究施設の見学を希望している。また日本国内でもMRI研究の状況や放射線治療の現状についてディスカッションしてくださる施設があるので、積極的に視察に行きたい。
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