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2021 年度 実績報告書

口腔癌由来エクソソームに発現されるPD-L1の抗腫瘍免疫に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 19K19201
研究機関高知大学

研究代表者

仙頭 慎哉  高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (30635264)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードPD-L1 / 口腔扁平上皮癌
研究実績の概要

口腔扁平上皮癌(OSC)細胞株であるSAS、HSC-3にPD-L1-siRNAを導入すると、増殖能が低下するとともに、細胞周期においてはG0/G1arrestの誘導が認められ、細胞増殖に関わるERK、AKT、STAT3のリン酸化レベルが低下した。また、PD-L1ノックダウンにより、遊走能、マトリゲルへの浸潤能も低下し、上皮間葉移行に関わる蛋白発現への影響を検討したところ、上皮系マーカーのE-cadherinの発現に影響は認められなかったが、間葉系マーカーのN-cadherin、Vimentinの発現が低下した。さらに、幹細胞様形質獲得におけるPD-L1ノックダウンの影響についても検討した結果、PD-L1ノックダウンによりスフェア形成能は約20%低下し、幹細胞マーカーのOct-4、CD44の発現も低下した。また、抗がん剤感受性への影響について検討した結果、SASでは100µMの5-FU、10µMの CDDP処理により増殖が抑制され、アポトーシスが誘導されたが、PD-L1ノックダウンによりこれら抗がん剤に対する感受性は増強した。一方、HSC-3は5-FU抵抗性であり、同濃度の5-FU処理では増殖抑制、アポトーシス誘導はほとんど生じなかったが、PD-L1ノックダウンにより5-FU存在下、増殖能が有意に低下した。一方、HSC-3はCDDPに対しては感受性を示し、CDDP処理により強力な増殖抑制とアポトーシス誘導が生じたが、PD-L1 ノックダウンによりさらにCDDP感受性が増強した。以上の結果から、OSC細胞に発現されているPD-L1はintrinsicに作用し、がん細胞の増殖・遊走・浸潤能、幹細胞様形質の獲得、および、抗がん剤抵抗性を促進することが示唆された。

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公開日: 2022-12-28  

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