研究課題
舌痛症患者では口腔内の灼熱感という典型的な症状だけでなく、「甘い、しょっぱい、苦い、酸っぱいの違いは分かるが、何を食べていてもおいしくない」など味覚に関する訴えが多く、さらに「食事をしている間は痛みがない」「酸っぱいものやからいもの、熱いもので痛くなる」など疼痛症状と関連した味覚の訴えも散見される。本研究では舌痛症患者における味覚の違和感の有無別に、甘味による疼痛軽減と脳機能との関連を解析することを目的としている。まず、舌痛症患者における主観的な味覚強度の調査を行った。甘味だけでなく、塩味、酸味、苦味に対する味覚閾値も測定し、さらにそれら味覚刺激による口腔内症状の変化を測定した。その結果は日本歯科心身医学会雑誌に投稿、掲載され第二回歯科心身医学会賞を受賞した。また舌痛症では口腔乾燥感や唾液分泌過多感などの不快感の訴えも多く、このような口腔内の不快感を主症状とする患者において撮像されたMagnetic Resonance Imagingを用いて中枢と末梢との中継地点であるRoot Entry ZoneにおけるNeurovascular compression と口腔内症状との関連を解析した。その結果はFrontier in Neurologyに掲載された。口腔内の多彩な不快な症状には、味覚を受容する末梢神経系(Peripheral Nervous System)の関与だけでなく、より上位の中枢神経系(Central Nervous System)のメカニズムが関与している可能性が推察された。さらにDiffusion Tensor Imagingを用いてfiber trackingを行い中枢神経系との関連の解析を進め、その成果は今後発表予定である。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 4件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件)
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