研究実績の概要 |
2019年度の活動業績としてラット頭蓋骨にチタン試験片を埋入し、ラット頭蓋骨とチタンの結合様式を非脱灰研磨標本を作製し評価した。 ラット頭蓋骨に適合する屈曲率を有するチタン人工骨を積層造形法にて作製した. チタン人工骨は, 表面処理として混酸加熱処理を行ったMAH群と,表面処理を行わない無処理群とを比較検討した. ラットの頭蓋骨表面とチタン人工骨をスクリューにて固定した. 埋植後1, 4, 8, 12週後に頭蓋骨を摘出し, 24時間以内に力学試験を行い骨とチタンとの結合力を評価した. また骨より引き剥がされた試験片を電子顕微鏡及び非脱灰研磨標本, V.Goldner染色による組織学的観察を行った. 結合力評価試験において, 無処理群と比較しMAH群の骨結合力は有意に上昇していた. 組織学所見においてもMAH群では活発な骨形成が認められた. SEM観察において, 剥離面にCaとPが存在した. 組織学的観察においてMAH群では骨表面に活発な骨の形成量が多く認められたが,スクリュー表面には骨添加は認められなかった. また骨の表面に並んでいる骨芽細胞が活性化した像が認められ, 埋入期間が長くなるにつれチタン人工骨に入り込んだ骨が認められた.
非脱灰研磨標本の作製はクレハ分析センターに依頼した。非脱灰研磨標本作製に関しては430,000円の費用がかかった。同研究結果は2019年つくば市にて開催された顎顔面インプラント学会にて発表を行った。本年度の予算がオーバーしたために来年度の予算を一部前倒し請求した。
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