腫瘍血管内皮細胞(TEC)は腫瘍血管新生研究において重要な細胞である. TECは特異性を有しているため,副作用の少ない新規血管新生阻害剤の標的となりうる.本研究では, TECにおけるグルタミン代謝とミトコンドリアの役割を解析した.TECは正常血管内皮細胞よりミトコンドリアの数が少なく,酸化的リン酸化よりも解糖系からより多くのATPを生成していることがわかった.また, TECはグルタミン利用により,多くのグルタミン酸を産生した.スルファサラジン(SSZ)によるシスチン/グルタミン酸アンチポーターを阻害するとin vitro , in vivo 両方においてTEC増殖が抑制された.
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