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2019 年度 実施状況報告書

口腔癌の放射線耐性を規定するスーパーエンハンサーの検索同定と新規治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K19222
研究機関千葉大学

研究代表者

齋藤 智昭  千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (40833554)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワードスーパーエンハンサー / non coding RNA
研究実績の概要

スーパーエンハンサー(SE)はヒストンH3K27のアセチル化が広範囲にわたり起きているゲノム上の領域で、DNA 10~20kb程度の領域に多くのエンハンサー結合部位を有し、RNApolymerase IIやMED1なども結合するのがその特徴である。
口腔癌細胞におけるSEの役割は解明されておらず、口腔癌細胞における放射線耐性に関与するSEはこれまでに報告されていない。本研究では、口腔癌細胞株を用いて放射線耐性に関与するSEを同定し、SE を通じて放射線耐性因子の転写を系統的に制御する薬剤までを検討する。
1)放射線耐性に関与するSEの同定のために、放射線感受性細胞と放射線耐性の同定を新規に行った。口腔癌細胞株9種類(HSC-2、HSC-3、HSC-3M3、HSC-4、KOSC-2、Ca9-22、Sa3、SAS、Ho-1-u1)全てに0‐8Gyの放射線照射を行いfraction curveを作製した。HSC-3は、8Gy照射後の細胞生存率94.8%と最も高かったのに対して、KOSC-2は細胞生存率が0.954%と最も低かった。本研究では、HSC-3を放射線耐性細胞・KOSC-2を放射線感受性細胞として新規に同定した。
2)SE同定のために、H3K27ac抗体を用いたCHIP-seq解析を検討したが、目的とした特定の転写因子やヒストン修飾がない。そこで本研究では、ATAC-seq解析を行い放射線耐性に関するエピゲノムの変化を網羅的に解析し、その後にChIP-seqデータとの統合解析でスーパーエンハンサーの予測を試みることとした。HSC-3(0Gy・8Gy)ならびにKOSC-2(0Gy・8Gy)を解析に提出した。
放射線耐性に関与する責任SE候補の絞り込みならびに責任SE候補の下流にある標的遺伝子を同定する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

放射線感受性細胞と放射線耐性の同定に予定より時間がかかった。CHIP-seqかATAC-seq解析の検討にも時間を要した。現在は、おおむね予定通りに進行している。

今後の研究の推進方策

放射線耐性に関与する責任SE候補の絞り込み・SE候補下流にある標的遺伝子の同定には、ChIP-seqデータとの統合解析でスーパーエンハンサーの予測を試みることとした。また、標的遺伝子をknock-downした放射線耐性細胞で放射線感受性が変化するかなどをin vitroで解析を行い、検討していく。

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公開日: 2021-01-27  

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