研究課題
ビスホスホネート製剤や抗RANKL抗体薬等の破骨細胞を活性抑制する薬剤は骨粗鬆症の治療薬として臨床で広く用いられており、その成果としては骨量を増加し骨折リスクを減少させるが、口腔外科領域においては顎骨壊死という副作用から骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(ARONJ)の発症が問題となっている。一方では骨粗鬆症と動脈硬化・血管石灰化さらには脂質異常症に密接な関連が存在することが注目されてきており、高脂血症治療薬のスタチンなどが骨粗鬆症にも効果があることが実験・臨床で示されているが、その具体的なメカニズムはまだ解明されていない。そのため、コレステロールと破骨細胞の分化・活性の関係を明らかにすることが骨粗鬆症治療薬の開発にも繋がると考えている。本研究では、上記背景から破骨細胞分化・活性時のコレステロールのバイオシンセスを調べることを目的とし、線状分子ポリエチレングリコールとシクロデキストリン(以下、CD)からなる超分子ポリロタキサン(以下、PRX)を用いた骨粗鬆症薬の開発を検討している。本年度の成果としては、マウスマクロファージ細胞にRANKLを添加させることにより、破骨細胞へ分化誘導させ、PRXを添加させた場合での破骨細胞やコレステロールの影響を評価した。結果としては、PRX添加群において、未添加群やCD添加群よりも顕著なコレステロールトランスポーターの減少を認めた。
4: 遅れている
Covid-19の影響により、研究活動に制限が生じたため。
引き続き、in vitro試験を継続する。コレステロール関連マーカーと破骨細胞分化マーカーに関する評価を行うことで、本研究目的を達成させる。
本年度はCovid-19の影響により研究が大幅に遅延した。そのため、次年度へ基金を繰り越し、引き続き本研究活動に邁進する。
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