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2022 年度 実績報告書

内軟骨性骨化に着目した顎変形症の病態解明および新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K19227
研究機関京都大学

研究代表者

山中 茂樹  京都大学, 医学研究科, 助教 (80637596)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード顎変形症 / 内軟骨性骨化 / C型ナトリウム利尿ペプチド / CNP
研究実績の概要

顎変形症は顎骨の大きさ、形態が著しく異常な状態であるものの総称であり、顎顔面骨の成長のアンバランスにより生じる。顎顔面骨は、内軟骨性骨化および膜性骨化が複合的に作用し成長することが知られているが、顎顔面の成長におけるそれぞれの働きは未だ明らかになっていない。本研究の目的は、顎顔面形態に対する内軟骨性骨化の影響を明らかにすることにより、顎変形症の発症原因を解明し、新たな顎変形症の診断法や治療法の確立に寄与することである。
強力な内軟骨性骨化の促進因子であるC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)を軟骨特異的に欠失させたCNPノックアウトマウス(Col2-CNP-KOマウス)と軟骨特異的に過剰発現させたCNPトランスジェニックマウス(Col2-CNP-Tgマウス)を作製し、顎顔面形態の解析と、病態解明をそれぞれ実施した。顎顔面形態の解析にて、コントロールマウスと比較し、Col2-CNP-KOマウスでは鼻骨、上顎骨を中心とした矢状方向への有意な劣成長を認めた。組織学的解析では、コントロールマウスと比較し、Col2-CNP-KOマウスのISSおよびSOSの厚みの減少を認め、内軟骨性骨化の抑制を認めた。
Col2-CNP-KOマウスに認められた顎顔面骨の形態異常に対し、血中濃度上昇型CNPトランスジェニックマウスとの交配によるレスキュー実験を行ったところ、CNPの血中濃度上昇により上顎の劣成長は有意に改善した。また、Col2-CNP-KOマウスより採取した軟骨細胞の三次元培養を行い、CNPの添加実験を行った。すると、Col2-CNP-KOマウス由来の軟骨細胞は内軟骨性骨化抑制を認めたが、CNP添加により軟骨細胞の肥大化および軟骨基質産生の増大を認めた。
以上より、上顎の劣成長は内軟骨性骨化の抑制が一因となり得ることが示唆され、CNPが顎変形症の新規治療法となり得ることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Circulatory C-type natriuretic peptide reduces mucopolysaccharidosis-associated craniofacial hypoplasia in vivo.2022

    • 著者名/発表者名
      Marina Kashiwagi , Kazumasa Nakao , Shigeki Yamanaka , Ichiro Yamauchi , Takafumi Yamashita , Toshihito Fujii , Yohei Ueda , Mariko Yamamoto Kawai , Takuma Watanabe , Shizuko Fukuhara , Kazuhisa Bessho
    • 雑誌名

      PloS one

      巻: 17 ページ: e0277140

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0277140

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Effect of C-type natriuretic peptide on craniofacial skeletogenesis in mice during the pubertal growth spurt.2022

    • 著者名/発表者名
      Marina Kashiwagi , Kazumasa Nakao , Shigeki Yamanaka , Ichiro Yamauchi , Takafumi Yamashita , Toshihito Fujii , Yohei Ueda , Mariko Yamamoto Kawai , Takuma Watanabe , Shizuko Fukuhara , Kazuhisa Bessho
    • 雑誌名

      Archives of oral biology

      巻: 139 ページ: 105433

    • DOI

      10.1016/j.archoralbio.2022.105433

  • [学会発表] 喫煙が顎顔面形態に与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      山中 茂樹 、中尾 一祐 、柏木 まりな 、別所 和久
    • 学会等名
      第 67 回 (公社) 日本口腔外科学会総会・学術大会
  • [学会発表] ムコ多糖症モデルマウスにおける顎顔面形態異常について2022

    • 著者名/発表者名
      柏木 まりな 、中尾 一祐 、山中 茂樹 、別所 和久
    • 学会等名
      第 67 回 (公社) 日本口腔外科学会総会・学術大会

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公開日: 2023-12-25  

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