本研究の目的は、CCN2の発現調節を介した内軟骨性骨化における肥大軟骨細胞の新たな細胞死誘導メカニズムを解明することであった。軟骨細胞におけるCCN2の発現は、低濃度の過酸化水素処理では亢進したが、高濃度では低下した。軟骨細胞においてCCN2の発現を抑制するとアポトーシスが誘導されたが、誘導されたアポトーシスはROS阻害剤により抑制された。これらの成果から、軟骨細胞の分化の進行に伴って細胞内ROSレベルが上昇するとともにCCN2の発現も上昇するが、分化終末期には細胞内ROSレベルがさらに上昇して逆にCCN2の発現が低下し、肥大軟骨細胞のROS介在性アポトーシスが誘導される可能性が推測された。
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