研究課題
がん微小環境においてOSCC細胞のNrf2抗酸化経路を介した放射線耐性機構の更なる解明を目指した。詳細として、まずIL-6とNrf2抗酸化経路との関連性をより検討するためにOSCC患者110例の生検標本を用いたリン酸化Nrf2の免疫組織化学的染色で発現解析を行った。そして、各種臨床病理学的項目との関連性を統計学的に解析する。多検体を用いた検証を行うことで、リン酸化Nrf2が治療効果予測の一助になるかを検討した。OSCC患者110例のうちリン酸化Nrf2高発現であった患者は46症例(41.8%)であった。また、リン酸化Nrf2高発現患者群は術前化学放射線療法の不良な治療効果と有意な相関関係を認めた。続いてOSCC患者におけるリン酸化Nrf2の発現が患者予後に与える影響についてKaplan-Meier生存曲線をlog-rank検定にて解析したところ、リン酸化Nrf2を高発現している患者は、5年全生存率、5年無病生存率ともに有意に低く、予後不良であることが明らかとなった。さらに、Cox比例ハザードモデルを用いた多変量解析により、本検討の患者群において化学放射線療法に対する治療効果とともに、リン酸化Nrf2の発現がOSCCの予後予測因子であることが明らかとなった。
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