ラット顎下腺主導管結紮動物実験モデルを用いて硬化性唾液腺炎の治癒過程を検索した。7日間の主導管結紮を行い、解除後0日(D0)、3日(D3)、7日(D7)、11日(D11)、14日(D14)の再生過程にある顎下腺を摘出し組織切片を製作した。HEおよびPAS染色にて形態的変化を追跡した。D0では顕著な腺房萎縮を認めた。再生腺房細胞は、D3までに常態時には存在しない導管様構造物と関連して出現し経時的に増加した。D14では腺房構造は正常顎下腺と同様な組織像を呈するに至った。細胞骨格を制御する因子の検索を行い、β-catenin、wnt-1/2/3/10が唾液腺再生に関与していることが明らかとなった。
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