本研究では口腔癌に対してレプチンアンタゴニストペプチドを治療薬として応用することができるか否かについて明らかにすることを目的として、まず、ヒト口腔癌症例におけるレプチン受容体の発現について検討した。口腔癌患者より生検もしくは外科的切除時に口腔癌組織の採取を行い、組織切片を作製し、免疫組織化学的にレプチン受容体の発現分布について、生検または切除術時に含まれる正常な部位の組織と比較した。 癌近傍の上皮組織および周囲上皮異形成部におけるレプチン受容体陽性細胞数と比較して、正常組織ではレプチン受容体陽性細胞数が少ない傾向が認められ、上皮の異型性とレプチン受容体陽性細胞との関連が示唆された。
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