研究課題/領域番号 |
19K19252
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
豊留 宗一郎 近畿大学, 奈良病院, 助教 (20836663)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 口腔外科 / 角化嚢胞 / エナメル上皮腫 / 歯原性腫瘍 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、①歯原性腫瘍の治療に対し、遺伝子発現の変化を基に、確実な治療法選択の基準を作成すること、②ゲノム編集技術を用いて病変発症のメカニズムの解析と、遺伝子修復による治療の可能性を探索することである。まずは①を達成する第一段階として、研究に適した症例の検索と検体の採取が必要であるが、昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大に伴う新規受診患者の大幅な減少により、検体採取が困難な状況が続いている。一方で、研究の対象とする疾患を選別するために、臨床的な拡大傾向や再発有無などの評価を行う必要がある。よって、まずは当科にてこれまで治療を行った歯原性腫瘍の症例において、X線画像や病理画像及び術中所見などの検索を継続し、再発の有無についてデータを集めてきた。途中、将来的に再発の恐れが指摘されている稀な歯原性腫瘍の症例もあったため、現在臨床論文として投稿中である。 その他、関連する口腔外科疾患については学会発表を行なっている。将来的には、遺伝子解析の結果と臨床所見や再発等の経過を照らし合わせて、再発リスクや術式の選択に至る診断基準を検討する必要があるため、 今後も同様のデータ蓄積を継続する予定である。そのため昨年度に引き続き、過去の症例における画像所見や術中所見、術後経過などの臨床データの蓄積を続け、新たに再発をきたした症例を中心に、臨床所見のデータの収集を継続する。また、新規に条件に適した症例は検体採取を行い、total RNAを抽出し過剰発現している遺伝子の検索を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では研究の対象とする症例として、同一の患者から患側と健側の病変組織と健常肉芽組織を同時に採取し、検体とする必要がある。昨年度に引き続き、新型コロナウ イルス感染拡大に伴い、新規受診患者が大幅に減少していることから、今後も検体採取が難しくなる可能性が想定される。よって、これまで手術を行った症例で、今後再発や増悪が懸念される症例を取り上げ、臨床上のデータを収集した。特に、他の論文等で再発や悪性転化が指摘されている病態については、これまでの経過について論文を作成し投稿中である。これらのデータは将来的に、遺伝子解析結果に基づく予後予測因子と、治療方法の確立における検討で必要であるため、今後も収集を継続する予定であるが、当初予定していた検体採取は上記理由によりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
条件を満たす症例であれば、検体の採取を行う予定であるが、まずはこれまでに歯原性腫瘍の手術を行った症例をまとめ、再発や悪性転化が懸念されるものについて臨床経過を記録する予定である。本研究の最終目的は、再発や局所侵襲性が高いと思われる症例を遺伝子解析にて判別し、術中の削除量や術式の違い、初診時からの画像所見などの臨床データを照らし合わせることで、客観的な診断基準を作成し、低侵襲で確実な治療方法を確立することにある。したがって、これらの臨床データの蓄積は必要であり、今後検体採取を行った症例については、継続した経過観察の中で、予想された結果と相違点などの検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度に引き続き新型コロナウイルス感染拡大により、想定された受診症例がなく、研究の遂行が遅れる結果となった。また、関連学会も中止となったことから、次年度使用額が生じた。一方で、これまでの手術症例やその臨床経過の評価におけるデータ管理が必要である他、新型コロナウイルス感染の収束により学会再開の兆しもあるため、これまでに得られた研究結果発表に予算を使用する予定である。
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