研究実績の概要 |
in vitroにおいて、乳歯から単離培養してきた細胞(P5~P10)をSHEDとして、実験に使用した。細胞を培養し80%コンフル時点において、FBSを0%にし48時間後、上清を回収し、さらにそれを、遠心分離し、CMとして用いた。SHED-CMについてマイクロアレイ解析により液性成分の分析を行った。BMSCとMC3T3-E1をBrdU Assayを用いて、細胞増殖能について比較した結果、有意な増殖が認められた。BMSCに、SHED-CMを添加し、VEGF, Ang1, Ang2, HGF, ALP, RUNX2, OCNについてその遺伝子発現についてPCRを用いて比較検討した結果、いずれの遺伝子発現についても優位な上昇を認めた。MC3T3-E1についても同様、ALP, RUNX2, OCNについて、比較検討を行った結果、遺伝子発現に有意な上昇を認めた。 in vitroではbalb/cヌードマウスを用いた、研究を実施。マウス頭蓋に骨欠損を作成し、そこにSHED-CMを浸漬させたアテロコラーゲンを移植し、比較を行った。その結果移植後4w、8w時点において、SHED-CMを浸漬させた群において最も骨再生が認められた。また、組織染色の結果、成熟骨の形成が多く認められた。また、VEGF、CD31による免疫染色の結果、有意に多くの染色が認められた。 これらの研究結果を"Stem cell‐derived conditioned media from human exfoliated deciduous teeth promote bone regeneration"というタイトルで論文投稿されている。また、日本矯正歯科学会にて"未分化間葉系幹細胞が破骨細胞前駆細胞の走化作用へ及ぼす影響""乳歯歯髄由来間葉系幹細胞の培養上清の骨再生治療への応用"というタイトルでポスター発表を行った。
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