研究課題/領域番号 |
19K19285
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
丸岡 亮 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (30826946)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 遺伝子検査 / 矯正歯科診断 |
研究実績の概要 |
先天異常をもつ患者の治療計画立案にあたり、疾患に対する診断を下すことは、患者の成長のみならず予後の予測という観点からも大変重要である。しかしながら臨床においては、これまで技術的制約から分子遺伝学的検査による確定診断は導入が進んでおらず、臨床所見のみにより診断を行っている場合が多くを占めていた。本研究では、顎顔面領域に形態異常をきたす先天異常症候群の原因遺伝子を候補遺伝子とした上で、網羅的に解析できるシステムを構築し、その有効性を検証する。併せて対象者の臨床所見との相関を検討し、今後の矯正歯科診断時に必要な根拠を創出することを目的とした。
本年度は、研究対象とする顎顔面領域に主な症状を示す先天異常症候群を選定することから開始した。候補となる症候群は、歯科矯正歯科分野において文献報告の多い症候群、過去20年に当科にて受診歴のある症候群、保険適応の症候群等を参考とし、対象を選定した。ついで、上記にて対象とした先天異常症候群の原因遺伝子について文献的な調査を行い、本システムの検査対象遺伝子を決定した。合わせて、対象となる症候群に対し、当科において矯正歯科治療を行なった症例においては、その初診時の所見(顔貌、口腔内、研究用模型、パノラマX線写真、セファロ画像、3D-CT等)を収集し、顎態などの顎顔面口腔領域の特徴に関して、分析を行なった。分析結果について、過去の症例との比較も行いながら各疾患に特徴的な臨床所見を探索した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究において対象となる症候群は多岐にわたること、また当科における先天異常症候群患者の資料は膨大であり、整理、分析に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、患者検体から対象遺伝子を選択的に抽出(濃縮) できるよう診断パネルを設計する。施設内の倫理審査委員会の承認を得たのち、対象者の募集を行う。本研究では、初診診察時など歯科矯正治 療計画立案に際して遺伝学的検査が必要とされた患者で、臨床所見より単一遺伝子疾患が疑われる症例を対象とする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究において対象となる症候群は多岐にわたること、また当科における先天異常症候群患者の資料は膨大であり、整理、分析に時間を要した。 本研究に必要な費用を翌年度に繰り越す予定であるため、使用計画の内容に変更は無い。
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