研究課題
若手研究
造血幹細胞移植を施行する患児から唾液を採取し、PCR法を行ったところ移植後3か月の口腔内細菌は移植前には歯周病原菌の存在が認められた。また、得られた唾液から齲蝕病原性細菌 Streptococcus mutans を分離し、その病原性について検討したところ、S. mutans 株の齲蝕病原性は移植後3か月までは低い状態であることがわかった。以上の結果から、移植後の患児の口腔内の状況は移植前と比較して大きく変化していることが明らかとなった。
小児歯科
大量化学療法による全身状態の変化や長期にわたる抗生剤の投与によって口腔内の状況が変化し、口腔内細菌叢が変化したと考えられる。このことから、口腔粘膜障害はこの変化によって引き起こされていると考えられる。また、移植後の口腔内の状態は移植直前直後よりもう蝕や歯周疾患のリスクが高くなっている可能性が高いことが示された。このことから、大量化学療法後は長期的な口腔内管理が必要であることが明らかとなった。