8週齢雄性 sprague dawleyラットを用い、開口ブロックの挿入後4週後にラット顎関節の変形をCT画像にてn=10中、n=8出現したため、4週間の開口ブロックの装着によってモデルラット作成することとした。開口量は、4.0 mmの正三角形を基準として設計し、下顎前歯部に装着しレジンで接着した。開口ブロック装着時の体重変化は著しい減少は対照群と比較して有意な差は認めなかった(以下顎関節症モデルラットと呼称)。 顎関節症モデルラットを用い、開口ブロック挿入4週間後に還流固定し、それぞれ胸鎖乳突筋、僧帽筋、延髄(三叉神経脊髄路核)を摘出した.それぞれのサンプルをホモゲナイズし、タンパク定量を行った後、発痛物質および炎症物質としての指標である、PGE2、IL-6、pp38、pNFkBについてウエスタンブロットを用いてnaive対照群と比較した。IL-6、pp38ついては、有意な発現亢進の結果が認められた(n=4: 三叉神経脊髄路核、胸鎖乳突筋、僧帽筋)。PEG2については三叉神経脊髄路核にのみ有意に発現亢進を認めた。 また三叉神経脊髄路核における切片を用いてc-fosの対照群との比較を経時的(24h、1day、3day、1week、2weeks、4weeks)に蛍光免疫染色を行った結果、開口ブロック挿入24時間後から三叉神経脊髄路核のある尾側核にc-fosの限局的な発現を認め、その後浸潤的に発現している像を認めた。これは、副神経核を有する疑核までの浸潤がある可能性があることを示唆した。その後、同部位かつ経時的にpp38とpNFkBの発現も確認した、pp38はc-fosと同様に24時間後から尾側核に限局的に発現亢進し、3日をピークに浸潤的かつやや減衰して発現していた。pNFkBについては、naiveより発現亢進を認めたが、尾側核に限局する像は認めなかった。
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