顎関節関連痛の発症機序として、顎関節での知覚神経上位の三叉神経脊髄路核での炎症性波及が副神経核の疑核近傍まで波及することから、僧帽筋および胸鎖乳突筋への関連痛の慢性化が引き起こされるのではないかという仮説の下、研究を行った。 炎症性サイトカインの発現は、三叉神経脊髄路核、僧帽筋および胸鎖乳突筋で、IL-6、pp38のみnaiveと比較して有意な発現亢進を認めた。また三叉神経脊髄路核付近での炎症性サイトカインが波及的に周囲へ浸潤している像がc-fosとpp38において認められた。副神経核である疑核付近での炎症性サイトカインの発現が、僧帽筋および胸鎖乳突筋への炎症誘発に関与していることが示唆された。
|