本研究では職業性ストレスと歯科疾患の関連についての文献レビューを行い、対象となった11本の論文を評価したところ、職業性ストレスとう蝕・歯牙喪失との関連についてはエビデンスが不足していたことが明らかになった。一方で、職業性ストレスと不良な歯周状態との関連は示唆されたが限定的であった。そこで、正規雇用労働者(184名と435名)を対象に質問紙調査と歯科検診を実施した。結果、職業性ストレスは不良な歯周状態と関連していたことを明らかにした。う蝕と歯牙喪失とは関連が認められなかった。また、不良な歯周状態を有していることは労働遂行能力低下と関連していたことを明らかにした。
|