研究課題
臨床経験が少ない免許取得直後の研修医等の医療従事者にとって、臨床現場における指導医から受ける影響は極めて大きいため、臨床研修等の初期研修の質を担保する観点からも指導医の質の担保は極めて重要である。研修医による指導医の客観的な評価が、指導医の教育能力の向上につながることから、指導医の質の担保において有用であることがわかっている。しかし、歯科領域では指導歯科医の評価法が確立していない。本研究の最終的な目標である指導歯科医評価法の確立に必要な「日本版臨床研修指導歯科医評価表」の開発を行うために、2019年度はその第一段階として日本における臨床研修歯科医にとっての優れた指導歯科医像を明らかにするために、研修歯科医を対象とした質的な研究を実施した。まず、東京医科歯科大学倫理審査委員会の承認を得た。東京医科歯科大学歯学部附属病院に所属する研修歯医を対象に、約5名ずつフォーカスグループインタビュー(FGIs)を実施した。FGIsは、半構造化インタビューにより実施し逐語録として記録し、評価思考プロセスの解析を行う。具体的には、申請者と研究協力者(臨床研修指導歯科医・医学教育専門家(医師・歯科医師)・他職種の医療従事者等)が個別に逐語録を読み、評価に影響する因子をコード化し抽出した。また、臨床研修においても重要な概念となる多職種連携教育(歯科医師と歯科衛生士、医師と歯科医師)に関する学会発表、論文発表、論文投稿を行った。
3: やや遅れている
研修歯科医に対する半構造化インタビューを研修終了時期にあたる2-3月に実施予定としていたが、Covid-19感染拡大防止の観点からインタビュー実施を延期することとした。
今年度もCovid-19感染拡大防止の観点からインタビュー実施はすぐに実施できそうにないため、オンライン調査などによる指導歯科医評価に影響する因子の抽出を試みることを検討している。
研修歯科医を対象とした半構造化インタビューが予定通り実施できなかったため、2020年度にインタビューが実施できれば謝金を使用する、またインタビュー実施が現実的でない場合オンライン調査を実施することを検討しており、この場合のオンライン調査実施費用が必要となる。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (11件)
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