研究課題/領域番号 |
19K19309
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
松山 祐輔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (80830124)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | う蝕 / レジリエンス / 家庭機能 |
研究実績の概要 |
本年度は研究協力自治体である東京都A区の小学生を対象に質問紙調査を行った。調査票には家庭機能の関連項目としての親子の関わり、虐待、ソーシャル・キャピタル、レジリエンス、口腔関連の健康行動などの項目を含めた。こうして得られたデータに学校歯科検診結果をリンクし、解析用データベースを作成した。これまでの調査から得られたデータと突合し、縦断研究の解析用データベースを整備した。この縦断データについては小学1年生から6年生までの追跡が含まれており、う蝕の経時的な変化の規定要因を解析していく予定である。さらに、前年度までの調査データを解析し論文化をした。具体的には過去の調査で得られた小学1年生の3年度分の横断調査データを解析した。保護者への質問紙調査により得られた日頃の子どもとの関わりについての情報(朝食を準備する、勉強をみるなど)から因子分析で得られたペアレンティング因子を考慮したうえで、留守番と子どものう蝕の関連を検討した。多様な背景要因を考慮するための手法である傾向スコア法により社会経済状況、家族構成、ペアレンティング因子得点(ポジティブな親子の関わり、虐待傾向、子の健康への関心)についてマッチングした解析の結果、留守番を頻繁にする子どもはう蝕が多いという有意な関連が認められた。追加解析の結果、この関連は口腔関連の健康行動により一部説明され、口腔関連の健康行動が中間因子である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた横断調査データをもちいた研究の論文化がなされた。これまでの調査を突合した縦断データをもちいた研究の論文化も順調に進行している。さらに、最終年度で解析を予定している縦断研究のためのデータベース整備が順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
過去の調査と合わせて、小学1年生から6年生までの追跡データが解析可能になる予定であり、それをもちいて小学生期のう蝕の経時的な変化とその決定要因を特に家庭機能に着目し解析をすすめ、論文化をする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し国際学会での研究発表を次年度に繰り越すこととした。次年度はデータマネジメントの費用および複数の論文の英文校正や出版費用に使用する予定である。
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