口腔カンジダは口腔粘膜炎のみならず、重篤な真菌血症の原因となることから、これまで多くの医療施設や高齢者施設で口腔内の分布頻度について報告されている。しかし、実際の周術期において、化学療法後に発症した口腔粘膜炎をアウトカムとして、カンジダ量ならびに口腔局所の状態との関連を検討した報告はほとんど見られない。本研究で化学療法前に口腔カンジダの定着状況を詳細に把握することで,口腔粘膜炎の発症とその重篤性まである程度予測できることが示唆された。本研究で得られた知見は今後の周術期口腔管理の介入にとって有用であると考えられた。
|