研究課題
本研究の目的は低出生体重児における食支援の方法を立案することである。そのために、本研究では保育園に通う健康幼児(3歳から就学前)と低出生体重児(3歳から就学前)を対象に調査を行った。調査項目は、舌圧、咬合力、口唇閉鎖力、うがい評価、握力、下腿周囲長、鼻腔通気度とした。また、食事に関するアンケート調査も行った。保育園に通う健康幼児、低出生体重児の約3分の1が食事に関して困っていることが明らかになった。食事の困りごとで最も多かったのは好き嫌いであり、次いで時間がかかるであった。年齢と舌圧、口唇閉鎖力、うがい評価、握力、下腿周囲長は有意に正の相関を示した。また、年齢と鼻腔通気度は有意に負の相関を示した。食事の困りごとのある児は、困りごとがない児に比較して有意に鼻腔通気度が高かった。また、食事の困りごとがある児では、口腔機能が未熟な口腔機能発達不全症児の割合が有意に高かった。さらに口腔機能発達不全症児ではそうでない児に比較して舌圧が有意に低かった。低出生体重児と健康幼児を比較すると、低出生体重児では握力、口唇閉鎖力が弱い傾向にあるものの、調査項目において有意な差は認めなかった。また、食事の困りごとがある児の割合、口腔機能発達不全症児の割合においても有意な差は認めなかった。以上より、低出生体重児の食事の問題は3歳までに解決されている可能性が示唆された。よって、より低年齢での支援が重要であると考えられた。しかし本調査では対象人数が少なかったため、対象人数を増やして検討を行う必要があると考えられた。また、鼻呼吸がうまくできない児、口腔機能が未熟な児では食事の困りごとを抱えやすいことが示されたため、幼児に対する食支援として、鼻呼吸に対する支援と口腔機能、特に舌訓練などの舌圧に対するアプローチが重要であると考えられた。
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Pediatric Dental Journal
巻: 33 ページ: 61-68
10.1016/j.pdj.2023.02.001
巻: 32 ページ: 6-15
10.1016/j.pdj.2021.12.002