研究実績の概要 |
地域在住の健常高齢者16名(男性7名、女性9名、年齢中央値84.5歳)に対して8週間の舌筋力の自主訓練を実施した。自主訓練には市販されている舌トレーニング用具を用いた。コントロール群は11名(男性2名、女性9名、年齢中央値79.0歳)とした。8週間の自主訓練の結果、コントロール群に比し訓練群の方が有意に舌の最大筋力(4.1kPa、11.53%)と持久力(4.53秒、99.86%)が増加した。訓練群の訓練実施率(アドヒアランス)は99.2%と非常に高い値を示し、本訓練が取り組みやすく継続しやすいということが明らかになった。 本研究成果を第22回日本言語聴覚学会(2021年6月19日名古屋)にて一般演題「舌筋力自主訓練(TSsE)におけるアドヒアランス向上の工夫」を発表した。具体的には、健常高齢者が舌筋力の自主訓練の訓練実施率(アドヒアランス)を高める工夫点について発表を行った。さらに、同学会にてコントラバーシー「嚥下臨床において舌圧測定は必須か?【Noの立場から】―舌圧測定のピットフォール―」において発表した。舌筋力測定をもとに定量的な舌筋力訓練を実施することの重要性や、舌筋力の自主訓練を行う重要性について発表を行った。 さらに、受理された論文が下記の通り雑誌に掲載された。 Yano J, Nagami S, Yokoyama T, Nakamura K, Kobayashi M, Odan Y, Hikasa M, Hanayama K, Fukunaga S. Effects of Tongue-Strengthening Self-Exercises in Healthy Older Adults: A Non-Randomized Controlled Trial. Dysphagia. 2021 Oct;36(5):925-935.
|