研究課題
若手研究
岩手県花巻市大迫に在住する50歳以上の地域一般住民を対象に、口腔保健と認知機能との関連を横断的に検討した。解析の結果、歯科定期受診の有無(オッズ比:3.5)および舌圧(オッズ比:2.5)が有意に認知機能障害と関連することが示された。年齢で層別化した解析においては、検出力の低下により、65歳未満群、65歳‐74歳群、75歳以上群の各群において、認知機能障害と有意に関連する口腔保健指標は確認されなかった。本研究の結果、口腔保健を適切に保つことが良好な認知機能に寄与することが示唆された。
高齢者歯科学
今後も増加すると予測される認知症を予防し、認知機能低下を遅らせることは本邦のみならず、世界的な課題である。不良な口腔状態および機能が認知症および認知機能低下のリスクであることはこれまでの研究からも示唆されているが、様々な角度からの議論がある。本研究では、横断的な検討ではあるが、口腔の状態および機能が認知機能低下と関連することを明らかにしており、認知症対策の一環として歯科保健を推進することを支持するものである。