Gumbel法を用いた遠隔で運用可能な新規歯科的個人識別法の開発

2020 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 19K19329
• 研究機関: 岡山大学
• 研究代表者: 岡田 俊輔 岡山大学, 大学病院, 助教 (00759681)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2022-03-31
• キーワード: 個人識別 / 身元確認 / 金属アーチファクト / メタルアーチファクト / Gumbel法 / 法歯学 / 歯科法医学 / 法歯科医学

研究実績の概要

身元確認のための個人識別法の一つとして歯科所見によるものがあり、遺体の口腔内から得られた治療痕などの記録を生前情報と照合することで身元確認を行う。本研究では、近年急速に普及している死後CTを利用し、画像上の金属アーチファクトを解析することで、口腔内の治療に用いられた材料を類推する新たな個人識別法の開発を目的としている。また、この方法では、死後CTデータから口腔内の情報を得ることができるため、遠隔地からの個人識別の可能性を提示するものである。
2020年度における研究計画は、①ファントムの作製と、②ファントムの撮影ならびに解析であった。
①アクリルファントムの作製については、アクリルファントム本体、歯科材料を固定するアクリル円柱、撮影する歯科材料の円柱の全てが完成した。歯科材料については、金属6種（チタン、パラジウム、コバルトクロム、銀合金、白金加金タイプ3、白金加金タイプ4）と非金属6種（硬質レジン、コンポジットレジン、ハイブリッドレジン2種、セラミック2種）の計12種を用い、それぞれの材料に対して直径1、5、10mm、長さ25mmの円柱を作製した。歯科材料を固定するアクリル円柱は、歯科材料に合わせて直径1、5、10mm、長さ20mmの穴を掘ったものを2本ずつ、計6本作製した。
②新型コロナウイルス感染症の拡大により、ファントムの完成が大幅に遅延し、2020年度末となったため、撮影ならびに解析については2021年度に持ち越すこととした。

現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の拡大により、所属機関においては研究を進めることができない期間があったことに加え、研究で用いるファントムの作製を依頼していた業者においても、新型コロナウイルス感染症の拡大を理由とする大幅な遅延があったため、全体として遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

2020年度末にファントムが完成したことから、今後はファントムのCT撮影を行い、画像解析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

当該年度に予定していたファントムのCT撮影ならびに解析の実施ができなかったため、次年度使用額が生じたが、次年度実施をするため、当該費用に支出する予定である。