| 研究課題/領域番号 |
19K19330
|
|---|
| 研究機関 | 広島大学 |
|---|
研究代表者 |
岩本 優子 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (00748923)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
| キーワード | 歯科保健教育 / カンボジア / 東南アジア / 小児歯科保健 |
|---|
| 研究実績の概要 |
東南アジア地域、特にカンボジアにおいて歯科保健教育を実現するにあたり、研究費採択以前よりシェムリアップ州を中心に口腔内診査や歯科保健指導の実施に関するフィールドワークを実践してきた。それらの結果の集計・分析を進め、小学校単位での歯科保健教育とその効果について学会発表を行い（カンボジア公立小学校児童の口腔内状況と歯科保健教育の効果/第57回日本小児歯科学会大会）、現在論文投稿の準備をしている。
また、当該研究に関連して、2019年11月には、教育省・保健省および現地の大学と協働で学校保健モデルや学校健康診断の実現を目指す「JICA草の根技術協力事業」と「医療技術等国際展開推進事業」に参加した。これまでとは異なるカンボジアの地域や学校における政府レベルの事業に触れることができたほか、国としても保健教育の実現に対して前向きであることを実感した。小児歯科医としての立場からこれまでの研究結果を提供し、協力することができると考えている。
我々の研究における現地調査および介入として、2020年3月にカンボジアの複数の州の教員養成機関への訪問と調査に加え、小学校児童の口腔内診査等を予定していたが、渡航直前になり世界的な新型コロナウイルスの感染拡大のため渡航を中止せざるを得ない状況となった。現在、カンボジアはもちろん日本でも先が見えないため、今後の状況を見守りつつ、必要に応じて研究計画を変更しながら対応していく予定とし、引き続きこれまでの結果の分析と現地調査のための準備を並行して実施していく。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年3月にカンボジアでの現地調査等を予定していたが、渡航直前になり世界的な新型コロナウイルスの感染拡大のため渡航を中止せざるを得ない状況となった。当初少し時期をずらして渡航することを考えていたものの、現時点で日本国内を含め諸外国の感染拡大の終息が予測できず、次なる渡航時期を決められずにいる。
一方で、これまでに得たデータの整理や今後の調査研究のための準備等、学内で実施できることやWebを介してやり取りできる内容等については、引き続き進めているところである。
|
| 今後の研究の推進方策 |
現時点では、海外渡航ができないことに加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、学内での研究室への立ち入りにも制限がかかりつつある。これまでに得たデータの整理等に関しては、テレワークでも実施可能な内容があるため、引き続き進めていく所存である。
現地での調査や介入等、当初の研究計画では渡航が必要であるため、まずは事態の終息を待つ。しかし、今後も数年にわたってこの状態が続くようであれば、直接的な渡航と介入によるものではなく、Webを介した取り組み等、研究方法の変更も検討していく必要があると考えている。医療的に発展途上であるカンボジアや東南アジアの国々は、終息後の医療供給の状態も予測できないため、歯科保健指導に対するレディネスを確認しながら計画立案を行っていく。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
現地調査研究のための渡航費、現地での様々な業務委託費、物品費等を計上していたが、渡航延期となったために今年度は使用せず、渡航までの準備に要したものや、国内の成果発表等に対して予算を使用するに留まった。次年度以降、渡航できる状況となった際には、予定していた研究計画のために使用することとなると考えている。
|
