研究課題/領域番号 |
19K19339
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
大塚 良子 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (00803701)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 炎症性腸疾患 / 口腔保健管理 / 次世代シークエンス解析 / 唾液カルプロテクチン |
研究実績の概要 |
炎症性腸疾患は、医療の発展に伴い寛解期導入は可能となったが、その維持については課題が残る。寛解と再燃を繰り返す難病であるため、寛解期間に依存して患者の生活の質が向上する。現在、寛解期を維持するために数種類の薬剤投与が行われているが、重い副作用は皆無ではない。また再燃の有無を確認するために定期的に行われる大腸内視鏡検査のストレスは大きい。そこで、炎症性腸疾患の原因の1つとして考えられている口腔と腸内細菌叢の均衡破綻と多様性の消失に着目し、歯科的介入による口腔・腸内細菌叢と宿主の相利共生化の可能性を検証した。さらに臨床所見と突合し、寛解期維持に寄与する可能性を持つ口腔細菌と腸内細菌叢の関連についても考察した。 具体的には、昨年度に引き続き、新たに募った被験者(寛解から軽症と診断された炎症性腸疾患患者ボランティアと健康ボランティア)を対象とし、臨床試験を行った。主要評価項目は、口腔・腸内細菌叢の細菌の質的・量的分布とした。副次的評価項目は、歯周組織検査、唾液分泌量、血中白血球数、炎症性マーカー;C反応性タンパク、ヘモグロビンおよびアルブミン量計測、および唾液タンパクの定量とした。歯科的介入項目は、歯周基本処置受療後にDental Drug Delivery System(3DS)による除菌と、さらに自宅での歯磨き、舌清掃および洗口剤による含嗽後に行う3DSによる除菌とした。臨床試験によって得られた各サンプルから口腔・腸内細菌叢の遺伝子を抽出し、次世代シーケンス解析を実施した。さらに副次的評価項目の1つである唾液タンパクについては文献を検証し、炎症性腸疾患と関連があるとされる唾液カルプロテクチンを採用することを決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、被験者の募集やサンプルの解析が困難であったため、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
得られたサンプルの解析を順次進めていく予定である。特に副次的項目である唾液タンパクの解析を進める。その後、解析の結果と病態を突合させ、その研究成果を発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症により、予定していた臨床試験の開始が遅れた。加えて、研究室の使用制限が生じたため、サンプル解析の一部は次年度に持ち越すこととなり、次年度に使用額が生じることになった。 これまでは主要評価項目を優先して解析を実施したため、副次的項目である、唾液タンパク質などの解析については遅れが生じた。次年度は主に唾液タンパク質の解析(委託解析を含む)を行う予定である。
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