本研究の目的は、①医療・介護レセプトの連結データを用いて、客観的かつ信頼性のあるケアの質の指標を算出し、②利用者にも個人のニーズに合わせた施設選択へ活用できるケアの質の評価システムの構築に役に立つエビデンスを提供し、③さらに、施設のケアの質へ影響する要因を明らかにすることで、根拠に基づいたケアの質改善につながる提案をすることを目的としている。 今年度は、目的③に対し、介護老人福祉施設における防ぎ得た入院に関連する施設特徴を明らかにした研究について指導を行った。本研究では、特養において、ストラクチャーとしての栄養士の配置が多いことや常勤医師の配置があることは、施設におけるケアのアウトカムである防ぎ得た入院のリスクの低さに関連することを示唆した。また、要介護認定調査データを用いて軽度要介護認定者の要介護重度化に関連する要因を明らかにし、International journal of environmental research and public healthに出版した。
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