日本の家庭医療専門医は、診療の場ごとに着衣する服装を変える傾向があることを、家庭医療専門医を対象に行ったアンケート調査を行い明らかにした。結果は第11回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会で発表を行い(2020年7月から8月、Web開催)、Nagoya Journal of MedicalScienceに論文として報告を行った。(Nagoya J Med Sci.2020 Nov;82(4):735-745.)家庭医の白衣着用の有無が「患者の視点からの医師の共感」に与える影響について準ランダム化比較試験を行い、医師の着衣の種類は、患者全体として受け取る医師の共感に影響を与えないが、男性患者に限定すると、白衣はカジュアルな服装に比べて、有意に受け取る医師の共感を低下させることを明らかにした。結果はBMC family practiceに論文として報告を行い(BMC Fam Pract.2021 Mar 31;22(1):59.)、第12回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会で口演発表を行った(2021年5月22日、Web開催)。これらの結果から患者は医師の服装というわずかな変化に影響を受けず、医師とのコミュニケーションを通じ、行動変容を引き起こし、それが健康増進に寄与すると考えられた。患者の行動変容に着目し、行動変容に有効な方法を探索するため、メタボリックシンドロームの減量に焦点を当て、マインドフルネスアプリを通常の栄養・運動療法に併用することが、減量に寄与するかを目的としたパイロットランダム化比較試験を実施し、その実現可能性および許容性を評価し International Journal of Behavioral Medicineに報告した(Int J Behav Med. 2024 Apr;31(2):202-214.Epub 2023 Mar 21.)。
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