研究課題/領域番号 |
19K19360
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
早瀬 朋美 自治医科大学, 医学部, 助教 (50433587)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小児がん / 症状評価尺度 / 緩和医療 |
研究実績の概要 |
【本研究の目的】小児がんは強力な集学的治療でその治療成績は向上したが、患児の苦痛に十分配慮した治療には未だ至っていない。本研究では小児がん患者の苦痛を客観的に評価する手法を確立するために症状評価尺度であるMemorial symptom assessment scale(MSAS)の日本語版(J-MSAS)を開発し、その妥当性、信頼性を明らかにする。また開発したJ-MSASを用いて小児がん患者が実際に苦しんでいる症状頻度を明らかにすることで小児がん診療での緩和的治療介入についての知見を得る。 【2019年度研究実施計画】J-MSASの開発:J-MSASの妥当性、信頼性を明らかにするための調査研究を行い日本語版MSASの開発を完了する。2019年4月1日時点で国内小児がん診療施設11施設においてField testing(日本の対象集団でのデータを集積)を施行中であり、2019年9月までを症例登録期間とし目標症例(7-12歳小児がん患者84名、13-18歳小児がん患者84名、保護者168名)に達する見込みである。登録期間を終了した時点で速やかに結果を解析・評価し原版開発者Dr. Collinsに報告する。英語原著論文を作成し発表する。 【2019年度実施した研究実績】Field testingの登録を2019年9月30日に完了した。2-18歳の小児がん患者の保護者238名及び7-12歳の小児がん患者88名、13-18歳の小児がん患者74名から質問紙の回答を得た。データクリーニングを行った後に統計解析ソフトSASを用いて統計解析を開始した。現在も統計解析を施行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Field testingは終了しているが統計解析がまだ完了しておらず、2019年度中に投稿予定であった英語論文は現在作成途中である。
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今後の研究の推進方策 |
J-MSAS開発の統計解析を完了させ、原版開発者Dr. Collinsに報告する。また英語論文を作成し発表する。 J-MSAS開発で得られたデータを解析し小児がん患者における苦痛についての詳細(全体における症状頻度、治療強度毎、疾患群毎、病期毎の症状頻度や特徴など)についてpilot studyとして明らかにする。 JCCG参加施設及び日本緩和医療学会所属の小児緩和医療に携わる医師との共同研究体により、小児がん患者の症状頻度調査を行う。その際インタビューワーを派遣することで研究参加施設の負担を最小限とする。結果を解析、評価し論文を作成し発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
【当該助成金が生じた理由】 2019年度は主にfield testing及び、統計解析に取り組み、英語論文の完成に至らなかった。そのための英文校正、論文投稿費、open access feeなどに見込まれていた費用が生じなかったことが理由と考えられる。 【使用計画】 2020年度は英語論文を完成させ、英文校正、論文投稿費、open access feeなどに活用する。
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