研究課題
①抗凝固薬使用状況に関する調査:聖路加国際病院において、過去5年間で使用された経口抗凝固薬(ワルファリン、アピキサバン、エドキサバン、ダビガトラン、リバーロキサバン)の調査を行い、第84回日本循環器学会学術集会にて処方傾向や薬剤毎の副作用の発現率、出血が起こりやすいリスク因子について発表した。現在論文化に向けて解析を継続している。②アカデミック・ディテーリング支援システムの開発:添付文書情報や二次資料より、シトクロムP450を介した相互作用のチェックができ、代替薬を表示できるようなシステムを開発中である。日本がんサポーティブケア学会の新規薬剤委員会として、便秘治療薬のアカデミックディテーリングの資材作成を行い、5月には、第6回日本がんサポーティブケア学会学術集会にて、成果を発表する予定である。③電子患者日誌の開発:抗凝固薬内服中の患者が使用できる電子患者日誌の改良を行った。医療者側が見れる画面を新たに作成し、外来受診時に参照できるようなシステムを開発した。また、電子患者日誌を実装し、服薬継続率、服薬アドヒアランスに関する調査を行う臨床試験「外来薬剤師による電子患者日誌を活用した服薬アドヒアランス向上を検証するランダム化クロスオーバー比較試験」を計画し、順天堂大学医学部附属順天堂医院病院倫理委員会にて承認された。今後は、順天堂大学医学部附属順天堂医院循環器内科において、臨床試験を開始する予定である。また、共同研究機関である聖路加国際病院循環器内科においても、先方の病院倫理委員会にて承認されたのち、臨床研究を開始する予定である。④外来薬剤師の配置:異動に伴い、順天堂大学医学部附属順天堂医院乳腺科にて外来診療に陪席している。今後、薬剤師配置効果に関する調査を行う予定である。
2: おおむね順調に進展している
①抗凝固薬使用状況に関する調査:解析はほぼ終了し、論文化に向けて図表を作成しているところである。本年度中には論文投稿を行う予定であり、概ね順調に進んでいる。②アカデミック・ディテーリングシステムの開発:新たに相互作用を確認でき、さらに代替薬を提案できるためのシステム開発を継続している。③電子患者日誌の開発:新たに、医療者が閲覧できる画面を設計し、システム会社に開発を委託した。「外来薬剤師による電子患者日誌を活用した服薬アドヒアランス向上を検証するランダム化クロスオーバー比較試験」を計画し、順天堂大学病院倫理委員会より承認を受けた。評価指標として使用するMMAS-8の購入契約に3ヶ月を要したため、臨床試験の開始がやや遅れているが、今年度中には終了できる見込みである。④外来薬剤師の配置効果については協力いただいている聖路加国際病院が、新型コロナウィルス肺炎の拡大による感染防止のため、昨年3月に中止し、現在も中断している。異動先の順天堂大学医学部附属順天堂医院乳腺科において、外来薬剤師としての陪席を開始した。循環器領域においても、今後介入が可能であるか方策を検討中である。
1. 電子患者日誌を用いた臨床試験を実施し、服薬達成率と服薬アドヒアランスに対する意識について解析を行う。2. 臨床試験での患者アンケートの結果をもとに、電子患者日誌を改良する。3. 外来に配置した薬剤師の介入内容とその効果について検証を行う。
新型コロナウィルス感染症の拡大により、国際学会のオンライン開催が継続しており、国際学会への交通費として予算計上していたが、次年度へ繰越となった。当該予算は、抗凝固薬電子患者日誌の改良やランニングコストなどへ使用する予定である。また、MMAS-8の契約に時間を要し、予算執行が翌年へ繰越となった。
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