研究課題/領域番号 |
19K19374
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
鈴木 哲平 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (40768751)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | データベース医学 / レセプト情報・特定健診等情報データベース / NDB / 健康情報 / 介護情報 / ビッグデータ分析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、医療経済学・医療政策学・医療情報学の視点から、①健康・医療・介護ビッグデータの活用によって、自治体はどのような健康づくり施策を策定することが出来るか、②自治体がヘルスケア・ビッグデータを活用する上での課題は何か?の2点を明らかにし、自治体による医療・介護・健康情報のビッグデータ分析支援および健康づくり施策実践の支援を行うことである。 研究代表者は、これまでに北海道岩見沢市で行ってきた健康情報の収集を継続して行い、新たに認知機能・下肢筋力情報のデータベース構築を進めることを行った。また、これまで分析データとして管理していた国保レセプトデータに追加して、後期高齢者データベースが追加された。協会健保データベースについては、これまでに検討していた健康情報との連携が困難であることが明らかになり、新たなデータ統合手法の検討が必要となった。 今年度の実績としては、健康情報の追加収集と、後期高齢者レセプトデータベースの追加である。健康情報と医療情報の連結については、次年度の課題として進めていくとともに、KDBシステムから抽出する介護レセプトデータとの連携も進めていく。また、これまでに構築したデータベースと、追加された医療・健康・介護情報と統合したビッグデータ分析(ベイジアンネットワークやシステムダイナミクス等を使用)を行い、その手法を提案する。また、予防医療や健康寿命延伸の効果が医療費にどのような影響を与えるかを分析するため、医療費を目的変数、各種健康情報を説明変数とした多変量解析を行う。さらに、専門性の高いヘルスケア分野のビッグデータを扱い、健康づくり施策に反映していく中での課題は何かを、全国の自治体職員を対象としたアンケート調査(インターネット)を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)データヘルス改革に構築される健康・医療・介護ビッグデータ連結を、まず初めに自治体レベルで実現させる。国保レセプトと、自治体主導で収集している健康データ(体組成、骨密度等)を市が所有する住民コードレベルで連結する。 2)協会健保データや後期高齢者データ等と健康データを連結させ、それらのデータベースに介護データを連結させる
上記の研究計画に従い、(1)については健康情報の収集を継続して行い、新たに認知機能・下肢筋力情報のデータベース構築を進めることを行った。さらに、昨年度から約1,000名の体組成・骨密度等の健康情報も追加されている。(2)については、これまで分析データとして管理していた国保レセプトデータに追加して、後期高齢者データベースが追加された。協会健保データベースについては、これまでに検討していた健康情報との連携が困難であることが明らかになり、新たなデータ統合手法の検討が必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
健康情報と医療情報の連結については、次年度の課題として進めていくとともに、KDBシステムから抽出する介護レセプトデータとの連携も進めていく。2020年度は、全国の健康・医療・介護ビッグデータが連結されたプラットフォームが稼動することから、本研究はその先行事例として、2019年度に構築したデータベースによりビッグデータ分析(ベイジアンネットワークを使用)を行い、その手法を提案する。また、予防医療や健康寿命延伸の効果が医療費にどのような影響を与えるかを分析するため、医療費を目的変数、各種健康情報を説明変数とした多変量解析を行う。さらに、専門性の高いヘルスケア分野のビッグデータを扱い、健康づくり施策に反映していく中での課題は何かを、全国の自治体職員を対象としたアンケート調査(インターネット)を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
協会健保データベース連携は困難であることが明らかになり、実施予定であったデータ分析に必要なPC等の設備準備が次年度以降となった。予定していた学会や研究打ち合わせ等への参加も、新型コロナウイルス等の影響により減少した。これらの進捗が影響を受けて、論文作成は次年度の課題となった。
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