地域包括ケアと多職種連携の実態を可視化するために、ネットワーク分析、リアリスト分析、多職種連携の実態を評価する研究を実施した。 1. 八戸市のsocial networking services (SNSs)を使った保健医療福祉専門職の情報共有のネットワーク分析では、介護度が高い患者のネットワークほどより高い密度、相互性、より低い中心性となることが明らかになり、2020年国際誌BMJ Family Medicine and Community Healthで公表された。上記の保健医療福祉専門職のネットワークの変化を2019年から2021年に実施した調査では、介護度1-3では大小のネットワークをもつノードの専門職がつながり、介護度4-5のネットワークは相互やり取りが減った。これは2021年の保健医療福祉連携教育学会で理事長賞を授与した。 2.茨城県神栖地域の保健医療介護福祉専門職間の「相談する/相談を受ける」人間関係を明らかにするネットワーク分析では、相談する内容によって、ネットワークの大きさや役割が異なることが明らかになった。また、可視化されたネットワークのフィードバックが参加者の認識を変化させる契機となった。この論文は、国際誌Frontiers in Public Healthに2021年で公表された。 3.リアリストアプローチを用いて、地域医療実習における医学生が多職種の役割を学ぶメカニズムを明らかにした結果、観察学習、自己調整学習などが抽出された。この研究は、2019年国際誌Medical Teacherで公表された。 4.地域包括ケアにおける専門職の多職種連携の実態を評価するため、多職種連携コンピテンシーを基に多職種連携の自己評価尺度の日本語版を開発し、2021年国際誌Journal of Interprofessional Careで公表された。
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