研究課題/領域番号 |
19K19398
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
大松 健太郎 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (50632501)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 病院外心停止 / 死戦期呼吸 / 心肺蘇生 |
研究実績の概要 |
心停止の現場に居合わせた市民が心停止の徴候である「死戦期呼吸」を「呼吸がある」と判断し、心肺蘇生を躊躇あるいは必要ないと判断することがしばしば報告されている。死戦期呼吸は、突然の心停止直後に高頻度に観察されるが、市民が評価することは容易ではなく、市民の心停止認識能力向上への方略立案は救急蘇生領域では非常に重要な課題である。これまで、ビデオ映像を用いた教育や救急蘇生法指導者による実演などによる教育が試みられてきた。しかし、有効性には課題が残されている。 本研究課題では、新たな技術として「AR(Augmented Reality:拡張現実)技術」を用い、スマートフォンやタブレット端末を用いて心停止の直後の傷病者の徴候を訓練用マネキンに付加することができる救急蘇生シミュレータを開発し市民の心停止の認識能力が向上するか否かを検証することを目的に研究を開始した。 2019年度の課題として、まず心停止直後にみられる徴候のデータを再検討することから開始した。これは文献調査を中心に行った。特に問題となる死戦期呼吸に関しては、インターネット上で共有されている動画を活用するなどして、特有の動き等を再現するためのデータを集積した。また、医療用VR分野における世界の研究・開発状況を調査し、シミュレータの具体的な仕様と作成の可能性について研究協力者と調整を行った。今後、実際に救急蘇生シミュレータの作成に着手する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度の課題であったデータの収集は順調に進展した。また、この分野における世界の研究・開発状況を調査し、シミュレータの具体的な仕様と作成の可能性について研究協力者と調整を行った。したがって、当初計画通りに順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度に得られたデータを基に2020年度はスマートフォンおよびタブレット端末を用シミュレータの制作に着手する。 COVID-19の影響により研究協力者との調整が困難になることが想定され、場合によっては、実験を延期せざるを得ない状況になることも考えられる。したがって、状況によってはオンラインで行う実験計画に変更するなどの対応を検討している。
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