研究課題/領域番号 |
19K19399
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
大釜 信政 帝京科学大学, 医療科学部, 准教授 (20711675)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高度実践看護師 / プライマリ・ケア / コンピテンシー / 大都市圏 / 尺度開発 / 実用性 / 居宅 / 医療政策 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,東京圏でプライマリ・ケアを実践するために必要な高度実践看護師のコンピテンシー・モデルを開発することである. 2021年度は,主に以下の内容に取り組んだ. 1つ目は,プライマリ・ケア分野高度実践看護師のコンピテンシー尺度の実用性を検証するための調査の実施についてである.2020年度研究成果「大都市圏におけるプライマリ・ケア分野高度実践看護師のコンピテンシー尺度(6因子46項目)」の実用性について検証することを目的として,1都3県(東京都,神奈川県,千葉県,埼玉県)のいずれかにある訪問看護事業所に所属する看護師に対して面接調査を依頼し,5名から協力を得ることができた.さらに,面接調査結果の分析やこの調査に関する論文執筆も開始した.2つ目は,米国の文献を参照しながら,日本で居宅ホスピス・ケアを拡充するうえで必要になる看護の要点について検討した点である.高齢・多死社会にある日本において,居宅で終末期療養や看取りも可能とするにはその先進国と言える米国の知見を得る必要があると考えた.米国の先行研究を参照しながら,居宅ホスピス・ケアにおいて看護師が具備すべき職能について検討した結果,身体的苦痛の緩和や症状・容態の急変対応に寄与すること,看取りにかかわる意思決定を支援できること,居宅ホスピス・ケアの拡充に資する看護人材の養成とその人材の有効活用に向けたシステムの開発の重要性が示唆された.3つ目として,本研究の成果を関連学会の学術集会や学術雑誌で発表したことである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度においては,以下の3点の理由に基づいて,本研究課題の進捗状況はおおむね順調に進展していると判断した. 1.プライマリ・ケア分野高度実践看護師のコンピテンシー尺度の実用性を検証するために1都3県(東京都,神奈川県,千葉県,埼玉県)のいずれかで訪問看護に従事する看護師に対して面接調査を依頼し,5名の看護師から協力を得ることができた.当初の予定では,特定行為研修を修了し地域医療に携わる看護師を対象として定性調査を実施する予定であった.しかし,調査参加人数の獲得が十分でなかったため、居宅医療現場の第一線で活躍する訪問看護師の認識に着眼した.この面接調査の結果を分析している段階ではあるが,コンピテンシー尺度の実用性に関する訪問看護師の認識は十分に確認できたと考えている. 2.日本以上に自宅や高齢者施設での看取り割合が高い米国で発表された居宅終末期ケアに関する先行研究を参照しながら,日本で居宅ホスピス・ケアを拡充するうえで必要となる看護の要点について検討した.この研究成果は,プライマリ・ケア分野高度実践看護師のコンピテンシー・モデルの開発につながる意義ある内容であると考えている. 3.「医療福祉政策研究第5巻第1号(査読付)」ならびに「帝京科学大学紀要第18巻(査読付)」において,本研究成果をまとめた論文が掲載された.「日本医療福祉政策学会2021年度研究大会」でも,研究成果を口頭で発表した.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度では,プライマリ・ケア分野高度実践看護師のコンピテンシー尺度の実用性を検証するために実施した訪問看護師に対する調査結果の分析を進めたのち,関連学会学術集会で発表する.加えて,査読付学術雑誌にも投稿する.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大により,オンラインで学術集会が開催されたため,旅費が発生しなかった.2022年度において,研究成果を論文としてまとめるために必要な書籍や消耗品の購入,翻訳費用として使用する予定である.
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