新型たばこ使用に関する文献調査を行った。ヒトにおける、加熱式たばこおよび電子たばこならびに無煙たばこの喫煙状況や喫煙行動に関する国内外の文献を検索し、その動向を把握した。また、新型コロナウイルス感染拡大による、新型たばこ使用への影響にも着目し、従来の紙巻きたばこの使用状況との比較や、感染拡大前の新型たばこ使用率への影響を確認した。さらに、当該年度にわが国の「健康増進法の一部を改正する法律」で全面施行が喫煙者、非喫煙者にどのような影響を与えたか調査研究の報告を収集した。併せて、2020年度から開始された、禁煙治療プログラムのオンライン(遠隔)診療が禁煙支援の推進に寄与したか、関連する既存データで分析を行った。 もう一つは、歯科における禁煙支援を促進すべく、その方策としてWHOが推奨する「口腔保健プログラムタバココントロールの方針」に示されている文献を和訳した。具体的には、「タバコ使用(喫煙および噛みタバコ)と口腔癌ならびに白板症の関係について評価した研究の概要」と「たばこ使用と歯周病の関係について評価した研究の概要」で掲載されている文献の訳を、書籍「歯科における簡易禁煙支援ーWHOによるグローバルスタンダードー 小川祐司 監訳、埴岡隆・小島美樹・田野ルミ訳.口腔保健協会:2021」にて提示した。今後は、これらの文献収集および資料作成から得られた知見を基に、社会的背景を考慮した新型たばこの使用実態を明らかにする調査を行う。
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