精神疾患の発症・悪化には、各個人の複合的な原因のみならず、食事や喫煙に代表される生活習慣や化学物質曝露といった、自身と周囲の環境から生じる様々な環境要因が関与していることは言うまでもない。さらに、近年の疫学研究により、PM2.5といった環境中微粒子が脳・神経系にまで影響をおよぼす可能性が指摘されている。従って、本研究成果は、外因性微粒子への曝露という観点から、精神疾患の発症・悪化におよぼす影響の一端を明らかとした点で、外因性微粒子への曝露に起因した生体応答の理解に貢献すると共に、グローバルな健康環境の向上に寄与することが期待され、公衆衛生学的視点からも意義深いものであると言える。
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