研究課題/領域番号 |
19K19412
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
増石 有佑 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20626767)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 毛髪 / 睡眠負債 / 睡眠時無呼吸症候群 |
研究実績の概要 |
本研究は閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)患者の毛髪を用いて、睡眠負債を定量するマーカー分子の同定を行い、睡眠負債評価法の開発を目的とする。重度のOSA患者は多大な睡眠負債を抱えている。そこで本研究は、CPAP治療前後におけるOSA患者毛髪に含まれるホルモン分子の化合物を定量比較することで、これら化合物が睡眠負債を定量評価することが可能なのか検討を行った。 福島県福島市内のスリープクリニックにてCPAP治療開始直後の15名の研究対象者の毛髪の採取を行った。そのうち12名については治療開始から半年後の毛髪の採取も行った。採取した毛髪を対象に、毛髪内コルチゾールをELISAで定量解析した。その結果、CPAP治療開始から半年たった同一患者の毛髪サンプルでは、コルチゾールが減少傾向にあることが明らかになった。また、健常者毛髪の直径を測定し、毛髪の太さによるコルチゾール濃度への影響がないことも確認した。スリープクリニックの協力のもとに、研究対象者の年齢、BMI、既往歴の情報を入手し、測定結果と相関があるのかを解析中である。さらに治療開始1年後、1年半後および2年後の毛髪の採取を行い、解析を行う予定である。 現在、次のホルモン分子をELISAによる定量を準備中である。さらに質量分析計を用いて網羅的に治療の進行と共に、濃度が変化した毛髪中化合物を明らかにし、睡眠負債を評価するマーカー分子を同定する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スリープクリニックの協力のおかげで、毛髪採取を行った研究対象者数は順調に増えている。さらにCPAP治療開始から半年たった研究対象者の毛髪採取も行えている。毛髪で測定した事例がないと思われる分子の定量解析は困難が予想されるが、すでに予備実験を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに毛髪内コルチゾールの定量解析を行っている。さらに毛髪内のホルモン分子の定量解析を行う予定である。質量分析計を用いた網羅的解析を準備も進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コルチゾール濃度を測定するためにELISAキットを購入したが、予備実験を綿密に行っていたので、予想していた数よりも少ないキットの数で測定が出来たため。またELISAキットの使用期限の関係上、様々なELISAキットをストックとして購入するのではなく測定直前に購入するべきと考えたため。これらのELISAキットは翌年度購入する予定である。
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