研究課題
若手研究
本研究は閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)患者の毛髪を用いて、睡眠負債を定量するマーカー分子の同定を行い、睡眠負債評価法の開発を目的とする。OSA患者毛髪に含まれるホルモン分子の化合物を定量比較することで、これら化合物が睡眠負債を定量評価することが可能なのか検討を行った。福島県福島市内のスリープクリニックにて15名の研究対象者の毛髪の採取を約半年ごと行った。採取したOSA患者毛髪を解析することで、濃度が増加している化合物の存在を明らかにした。
衛生学
睡眠負債を抱えている人に注意喚起を行うことは、社会全体の健康増進に繋がると思われるが、一般人に対する睡眠に関しては調査票を用いた評価が中心であり、簡便に睡眠負債を定量評価する生化学的な指標は現在のところ存在しない。そのため潜在的に睡眠負債を抱えている人をスクリーニングするのに適した簡便な睡眠負債診断法の開発が望まれている。OSA患者毛髪において、ある化合物の濃度が上昇しているという研究結果は、睡眠負債診断法の開発に繋がると思われる。